アインツベルン・シンドローム-No.2 子ギルのおかげで静かになった更衣室兼待合室でリズに渡されたタキシードに着替え終わる。首元がきつく感じるがこんなもんなんだろう、と納得して試着室を出る。 部屋には顔を合わせようとせず椅子に座っているランサーとアーチャー、黙々と目を瞑ったまま動かない小次郎、こちらに微笑みかけてくる子ギル、未だに鏡の前に居座る慎二の姿があった。 とりあえずこの部屋にいる男連中の着替えは完了だ。 セイバーたちはどうしてるんだろうと、なんとなく暇な頭で考えたりしているとドアがコンコンと、控えめにノックされた。どうぞ、と言って暫し待つとドアが開き、そこにはリズが待っていた。 「着替え、終わった?」 「ああ、なんとか皆終わったよ」 「そう。じゃ、会場に案内する」 言われて室内にいた皆が立ち上がり、リズの後について部屋の外へ出る。 道がわからないので、ただリズについていくしかないのだが。 「おい、アーチャーにランサー。 さっきみたいな事はもう勘弁してくれよ」 とりあえず釘を刺しておく。主に俺の為に。 「何故貴様にそのようなことを言われねばならん」 「そうだぜ、坊主。コイツがケンカふっかけてくるのがワリーんだぜ?」 どっちもどっちだとは思うがそれは口にせず、目下最大の釘を打ち込む。 「ふーん、俺は別にいいけどさ。せっかくのパーティをメチャクチャにして見ろ。 主催者のイリヤは不逞の輩には制裁をするって言ってたし、遠坂やカレンも黙ってないと思うぞ?」 それにぐっと押し黙る赤青コンビ。やはりマスターには逆らえないらしい。マスター以外の要因もありそうだけど、それは言わぬが華か。 「そうですよ、お二人さん。ボクからも一つ釘を刺しておきますね。 もし次、あんなことしたら容赦なく首を切り落としますから、覚悟しておいて下さいね」 笑顔を絶やさず、おっかない事を言う子ギル。それにしても珍しく好戦的で協力的だな。 「実はマスターの命令ってそれなんですよ」 眉をハの字にして子ギルが言う。 「あんな命令をすれば、大人のボクが薬を使うっていうのは読んでいたようで。 それに今のボクなら素直に言うことを聞くだろうってのも判ってたみたいですしねー。 これだからあのマスターはイヤなんですよねー。 やっぱり将来の伴侶は由紀香みたいな素朴で慎ましい女性ですよね」 お兄さんもそう思いませんか? と訊かれても答えられる筈もない。俺の周りにはその素朴で慎ましい女性ってのが決定的に欠如しているからだ。それにもし、そんな発言を彼女らに聞かれたら何をされるか………。 と、恐怖に慄いていたら何時の間にやら到着したようで。 場所はアインツベルン城最上階。遠坂がメチャクチャにした三階より上がようやく修理できる頃合いになったのを、突貫工事で全面改修したようだ。そして目の前にはこれまた豪奢な飾りのついた重厚な扉。 その重々しくも神々しい煌びやかな天上の門が、リズの手によって開かれる。 さあ、せっかくみんなが集うんだ。思いっきり楽しい時間にしよう。 アインツベルン・シンドローム-No.2/Transient Memories II
/1 開かれた扉の先は一階まるまる全ての仕切りを全部取っ払ったくらいの広さのある部屋だった。天井には無数のシャンデリアが燦然と輝き、ホール内にはゆったりとした音楽が流れている。 見渡せば、そこには白のテーブルクロスのされたテーブルが幾つも置かれている。その上には備え付けの花や飾りつけ、燭台のようなものが並んでいるが、そこにはおそらく料理が並べられるのだろう。 そこから推測するにパーティというのは立食パーティ形式であるらしい。うん。こっちの方がいいな。テーブルマナーとか、作法とかいった堅苦しいのはこのメンツには合わないだろうし。 ランサーやアーチャーたちも感心していたり、物珍しそうにキョロキョロしている。確かにこれは圧巻だ。一般人じゃこういう場所に来るなんてこと、人生に一度あるかないかだろう。 そこまで見渡してふと、ある人物がいることに気づく。 「おい、衛宮。あれ葛木じゃないか?」 「む。衛宮に間桐か」 いつもと同じような無表情を顔面に貼り付け、一人室内に佇んでいた人物。それは穂群原学園倫理担当教師にしてキャスターのマスター、朽ちた殺人鬼、葛木宗一郎であった。 「先生もイリヤに呼ばれたんですか?」 「うむ。連れに頼まれてな」 言って虚空へと視線を移す。微妙に話が噛み合ってないのは気のせいか。イリヤから招待状が来たけど、本人に行く気は毛頭なかったが、天下の若奥様、キャスターに頼まれて一つ返事で了承したってトコか? 相変わらず何考えてるのかはわかんないけど、キャスターとはうまくやれてるみたいだな。 と、そこへ近寄ってくるのは小次郎か。 「やはり来たか、宗一郎よ。おまえなら来るだろうとは思っていたぞ。 ところでセイバーのマスター、聞け。 宗一郎に頼む時のあの女狐と来たらな、花も恥らう乙女の顔をしておった。 恋する乙女だぞ。くっくっく、今思い出しても笑いが止まらぬわ」 もう本当にコイツは命知らずか。 つか、えらい勢いで喋ってるぞ。酒も飲んでないのにもう酔ってるのか? 小次郎の話を話半分で聞き流しながらもう一度辺りを見渡す。 そこでまたもや思い至った。 「あれ、セイバーたちはまだなのか?」 「ただ出てきたんじゃ面白くないでしょ?」 ホールに響く聞き慣れた女性の声。 「イリ────………ヤ?」 奥からコツコツとハイヒールを鳴らし歩いてくるのは今回のパーティの主催者にして我が妹君。 その容姿は、イリヤが正装という紫と白の服ではなく。髪留めをしアップに決め、身に纏うドレスは雪を編んだかのような純白、冬の少女の名を体現しているような真白のドレスだった。 「どう? お兄ちゃん、似合ってる?」 くるりと俺の前で一回転して見せるイリヤ。 薄く化粧をしているのか、はたまたそのドレスのせいかは動転している俺にはわからないが、いつもより大人びて見えるのは間違いない。 「ねえ。どうなの、シロウ!」 頬を膨らませ、顔がくっつきそうな距離まで詰め寄られる。 「う、いや、その、悪い。見惚れてた。 うん、イリヤにすごく似合ってる。これ以上ないってくらい」 口から出るのはそんな拙い言葉。だけど、イリヤはそれに満足そうに頷き、 「ありがとう、お兄ちゃん!」 満面の笑みを見せてくれた。ああ、もう、可愛いじゃないかコンチクショウ。 俺ももうちょっと気の利いた言葉の一つも言えるようになりたいもんだ。 「えーっと、こほん。 普通の入場では面白みに欠けるだろうと思いましたので、女性の方々には一人ずつ入場して頂くことになりました。 男性の方々にはそれをご覧いただき、相手の女性に指名された方には、一言感想を述べていただきたいと思いますので、よろしくお願いします」 妹の顔から主催者の顔へと変わり、ドレスの裾を摘み、恭しく礼をする。 そして、さらりと爆弾発言を残した。 イリヤ理論で入場されると俺が集中砲火を受けそうな気がするのは気のせいではないだろう。 ヤバイ。俺にはそんなに甘い言葉のストックがないぞ。 冷や汗が流れるのを感じながらどうしようかと思案していると、イリヤが既に次の段階へと進行していた。イリヤよ、お兄ちゃんをあまり苛めないでくれ。 『では最初の入場者、どうぞ』 どこから持ってきたのか、マイク片手に司会者になっちまったマイシスター。 あああああ、どうしよう。ていうか、最初は誰だ!? いつの間にかライトも落とされ、さながらどこかのコンテストのような様相を呈してきた。 リズとセラ(いつの間にかいた)に引かれ、開く重々しい扉。 入り口を照らすスポットライトの中に現れたるは────……… 「───────」 「ど、どうでしょうか、シロウ?」 おずおずと尋ねてくるセイバー。そう、最初に登場したのは、ブリテンに覇を唱えし永遠の王。セイバーだった。 いつもは編まれている金糸の髪は今は下ろされている。そして青を基調とし金と白に彩られた見目鮮やかなドレスを着こなすセイバーは、形容しがたいほど綺麗だった。 と、いつまでも惚けているワケにもいかず、指名されちまったからには答えねばならない。いや、そんな事抜きにしても彼女に感想を述べたいと心から思うが。 「ああ、似合ってるよ。セイバー、綺麗だ」 きっと俺の顔は真っ赤だろう。セイバーも真っ赤だ。 「あ、ありがとうございます。シロウ」 顔を俯かせ、こちらに歩いてくるセイバー。 「──────っぁ」 履き慣れていない物を履いているせいか、何もないところでセイバーがよろめく。 それを支えようとし、抱きとめると、 「おお、坊主。それでこそ男ってもんだぜ」 「へえ、衛宮のくせにやるじゃんか」 なんて、親父臭いヤジが聞こえた。それに無視を決め込み、 「大丈夫か?」 「はい、…………すみません」 俯いていた顔があげられ、視線が交差する。 うっ……やばい。そんな瞳で見つめられると、どうにかなりそうだ。 なんだか良い雰囲気になりかけていると、 『では次の方、どうぞ』 それを遮るように、イリヤのちょっと怒気を孕んだ声が響いた。 次に登場したるは赤いあくまこと、遠坂凛嬢である。 身に纏うドレスは、ケチのつけようのない程の純粋な真紅。普通の人なら着るのを躊躇いそうなその赤も、何時かの水着のように、まるで遠坂を引き立てるような装いだった。 また指名されるのかと思い、どんなことを言うべきか考えていると、視線を向けられている事に気づいた。出所は遠坂か。 ちょっと目を細め、「ふふん、衛宮くんを指名したら面白そうだけど、ちょっと可哀想よね。仕方ないから許してあげる。でも後でちゃんと感想は聞かせるのよ?」なんて内容の言葉がテレパシーとなって聞こえた気がした。サンキュ、遠坂。恩に着る。 「アーチャー、どうかしら?」 ふわりと踊るように舞う遠坂。 「ふむ………そうだな」 赤いの──今は白いけど──はわざとらしく俺を一瞥し、 「ああ、まったく以って君らしい。そのドレスは、とても君に似合っている」 なんてコトを言ってのけた。臆面もなく。 「そ。ありがとう、アーチャー」 何時になく綺麗な笑顔でアーチャーの元へと歩いていく遠坂。 ぐっ、なんでこんなに悔しいんだ? 第三のチャレンジャーはライダーだ。 背が高く、大人の色気を帯びるライダーに相応しいマーメイドラインの紫を基調としたドレスだった。首元から肩にかかるショルダーストラップ、それに開けた胸元まで目のやり場に困るのは俺だけではないだろう。さすがは豊饒の神、人間とは次元の違う美しさだ。 さて、来るか? と身構えていたのだが、またもついっと視線を向けられ「サクラの為にちゃんと言葉を用意して置いてあげて下さい。ここは見逃してあげますから」なんてちょっと悪戯っぽいテレパシーが聞こえた気がした。………でもちょっと待て。じゃあライダーは誰を指名する気だ? 「そうですね………では、アサシン」 「ほう、………私か?」 それは予想外の人選。しかし、この男連中の中じゃ、一番上等な文句を言えそうなのはこの男だろう。なんてったって、花鳥風月を地で行く侍なんだから。 「ふむ……そうだな。花に例えるなら……菫、と言ったところか。 野に咲く花、という意味ではそなたにはそぐわぬやもしれぬが、彼の花の花言葉は“奥ゆかしい、思い”などでな。 紫紺の花、飾らぬ美しさ、そして主を心から想うそなたを省みれば、これほど相応しい花もそうあるまい」 臆面もなく言い放つ小次郎の言葉に、全員が息を飲み、微かなどよめきが巻き起こった。 ………すげえ。そんな言葉、俺の脳内からは絶対に出て来ることはないだろう。 「……………ありがとうございます」 ライダーの頬が僅かに上気しているように見える。 むむ………恐るべし、佐々木小次郎。 四番目に登場したのは冬木一の破天荒若奥様、キャスターだ。 ま、葛木が来てる時点でキャスターがいるだろうとは思ってたけど。身に纏う衣服はいつもの黒ローブではなく、黒のシフォンワンピっぽいドレスだ。そして肩にはストールがかけられ、無駄な露出を控えている。さながら美人若奥様、と呼ぶに相応しいドレスに見えるのは俺の目の錯覚か。 ここでウェディングドレスでも着て出てくれば、それはそれでまた別のパーティが開けたのではなかろうか。挙式はしてないって言ってたし。ま、そんな冗談は別としても………なんだろ。妙に似合って見えるのはなんかの魔術か? 「宗一郎様………。どうでしょうか、似合っていますか?」 俯き加減で、本当に相手の出方を窺うように、か細い声を発するキャスター。 それに、 「ああ」 たった一言だけ答える葛木。 それだけ!? という俺の思いなんか何処吹く風、どんよりとしていたキャスターの周囲の空気が唐突に桃色に染め上げられた。 「あ、ありがとうございます……! 宗一郎様っ……!!」 刻一刻と周囲を飲み込みながら蔓延するラヴラヴ空間を引き連れ、最愛の人に駆け寄るキャス子さん。そうか。キャスターには葛木のあの返答だけで心躍るほど嬉しかったワケだ。俺はもう、それだけでお腹いっぱいです。どうぞ、末永くお幸せに。と祈るくらいは罰が当たらないだろう。 キャスターに続くは衛宮邸の最後の良心、キレるとちょっぴりくすくす、ごーごー、黒くなっちゃう間桐桜嬢だ。 豊満なその体を覆うは、桜の名に相応しい薄桃色のカクテルドレス。肩紐はなく、首の部分で括るタイプなので、露出した肩と豊かな胸に視線が注がれるのは断じて俺のせいではない。ないったらない。 体の前で腕をもじもじさせ、ちょっぴり照れくさそうにこちらを窺う桜が、 「せ、先輩! どうでしょうか!」 意を決したように俺に問うた。 俺の答え? そんなの決まってる、言うべき事なんて一つしかないだろう。 「綺麗だよ、桜」 もう本当に自分のボキャブラリーの無さに辟易するが、こういうのって飾らない言葉の方が真実味があって良さそうじゃないか。と、男の俺が言っても何の説得力もなそうなコトを胡乱な頭で考えていたりする。 俺の言葉に顔を真っ赤にし、えへへ、と照れ笑いする桜。 ああ───まったくもって、何で俺の回りにはこんなに美人が多いのか。困るぞ。 『さて、残すところ二人となりました。では次の方、どうぞ』 あと二人か。 んじゃ残ってるのは扉の隙間から覗いていたサドマゾシスターと───…… コツコツと靴音を鳴らし登場する元封印指定の執行者、ワインレッドの髪で顔を隠して登場するバゼット・フラガ・マクレミッツ女史。 こちらも身に纏うは本人のイメージカラーと合った、ワインレッドの鮮やかなホルダーネックタイプのモーションフレアードレス。ぱっくりと割れた背中がえらく扇情的なのは気のせいではなかろう。こんな時でも耳に輝くルーン石のピアスを外さないのは彼女なりのポリシーか。 そんな外見は二十三歳にも関わらず、中身は十三歳な年頃の乙女は俯いた顔を上げようともせず、ただ立ち竦む。緊張しているのか、恥ずかしいのかは知らないが全く動く気配が無い。 「………バゼット?」 返事は無い。まるで……とくだらないコトを考えていると、横からわざとらしい溜め息が聞こえた。ガシガシと頭を掻きながら前へ歩み出るはバゼットの元サーヴァント、我等の兄貴ことランサー。 これ見よがしに堂の入った歩き方でバゼットに近づくと、 「バゼット」 名前を呼ぶと共にくいっと顎を持ち上げ、視線を交差させる。上げられた顔は真っ赤だったのに、ランサーの仕草のお陰で熟れ過ぎた林檎のように真っ赤っ赤だ。 それに、おお、という声が響く。まさかそのまましちゃうの? しちゃうの!? やれ、やっちゃいなさい! という遠坂の野次馬根性をアーチャーが嗜めていた。 「………ラン、サー?」 「なんで俯いてんだ? 台無しじゃねぇか」 「私は……その……、自信が……ありません、から」 消え入りそうな声でランサーから視線を逸らすバゼット。それをランサーはハッ、と笑い飛ばし、 「くだらねぇコト気にしてんじゃねぇよ。 どっから見たって今のオマエはいい女だ。ほら、行くぞ」 「え、あ、はい……ありがとう、ランサー……」 ランサーに手を引かれ灯りの下から出てくるバゼット。暗闇の中でもわかる。その顔は、きっと喜びに満ちている事が。 『では次で最後です。どう、ぞ………? えー、まだ準備が整っていないとのことですので、暫しお待ち下さい』 マイクを握っていたイリヤの声に微妙に焦りが混じっていた。なんだ? カレンだけ遅れてるのか。 開かれた扉からはカレンが登場する様子は無く、薄暗い廊下だけが微かに見える。人の更衣室なんか覗いているからだ。 そうして待つ事数分。 イリヤの声が再度響き、漸くカレンが姿を見せるようだ。俄かにざわめき立ち始める会場を、一瞬で静寂に包み込ませた黒い聖女がライトを浴びて………ってオイ。 「何着てんだ、アンタァァァァァァァァァ!!」 ついそんな叫び声を上げてしまった俺。他の皆は珍獣でも見るように目を丸くし、ただ固まっている。だってさ。アイツ、 「何でウェディングドレスなんだよ…………」 イリヤのドレスとはまた違った純白のドレス。女性の永遠の憧れに身を包む修道院をたらい回しにされて、そこで天職を得た被虐霊媒体質の少女。 結い上げた髪と顔を薄いベールが覆い、視線を下げ胸の前で腕を組むその様は、黙ってさえいれば、まるで本物の聖女のような装いだ。 そのウェディングドレスの長い裾を持っているのは笑顔の子ギル。おお、不憫なり英雄王(小)。つか、何時の間に移動したんだ。あくまで彼の名誉の為に言っておくが、嬉しそうに笑っているワケではなく、苦笑いを顔に貼り付けているコトをお伝えしておこう。 「声が大きいですよ、衛宮士郎。 パーティ、ということでしたので、てっきり私と貴方の婚姻を祝する催しかと思っていましたが。……………違うのですか?」 「んなワケあるかァァァァァァ!」 いつ俺とおまえが婚姻を決めたんだ! 虚偽の発言の撤回を全力を以って要請する!! 「……酷い。あの時は、あんなに激しく肌を重ねあったのに。 遊びだったんですね……このケダモノ」 ああぁあぁああぁぁぁ……やーめーてー。そんな出来事は俺の記憶の片隅にもありませんから! 俺で遊ぶのもいい加減に………って、え? なんだ、このフラッシュバック。え? えぇ? 俺とカレンがそんな…………ええええぇぇぇええぇ!? 「シロウ………? 今の話は本当でしょうか」 「へえ、衛宮くん。手が早いのね」 「……先輩。わたしには手をだしてくれないのに……」 「お兄ちゃん……?」 ………冷や汗が滝のように流れ落ちる。ニヤニヤと笑うガングロ野郎にガンを飛ばす暇すらない。 早い、囲まれた。前方にセイバー。左右に遠坂、桜。背後にはイリヤか。 くっ………。逃げ道も、逃げる術もありゃしない。絶体絶命、この世に救いの神はいないのかっ!? ……いないんだろうなぁ、もうホント、勘弁してくれ……。 後書きと解説 えー………これは、ナンダ? お見合い? 美少女コンテスト? はたまたパ○コレか!? 当初の予定とは四十五度くらいずれてから百八十度反転したくらいの内容となってしまった中編。 絶対後編で終わりそうにない。………勢いで書いてるせいですね。 まあ、容姿の描写の練習になったからコレはコレでOK、かな。 出来うる限り調べて描写したつもりですが、壊滅的に間違っているところがあればご指摘を〜。 即座に修正する所存であります。 web拍手・感想などあればコチラからお願いします back |