十二日月 朝/反転覚醒 /1 「────そこをどいて貰おうか」 一人の男が眼前の男を見つめ、そう口にした。 対する男は、 「断る」 にべもなくその言葉を切り捨てた。 「何故貴様はあの女を守るのだ? あれは世界の眷属であり、人間の敵だ。 堕ちてしまえば無差別に殺戮を繰り返し、世界を血の海へと変えるだろう。 それでも貴様は、彼女を守ると言うのか」 「ああ────守ってみせる」 その言葉に迷いはなく。ただ己の信じた道を征くと、敵意が語る。 「……自分が今どういう状況にあるか、理解しているか? お前は人間でありながら、人間の世界を敵に回しているのだ。 たった一人殺せば、多くの人間が救われる。 なぜそれが理解できない」 「……理解できないね。 一人殺せば多くの人間が救われる? まだアイツは何もしちゃいない。 ただの可能性だけで、あんたはアイツを殺すというのか」 「当たり前だ。事が起こってしまっては全てが遅い。 危険の芽を事前に摘んでおくのは道理だろう」 「ならあんたは────自分の大切な人がその殺すべき対象でも殺せると言うのか!」 「ああ────殺してみせよう」 その言葉に偽りはなく。ただ己の信じた道を征くと、殺意が語る。 「だが私も人の子だ。 大切な人が傷つくような目に合わないように日常の中に置いてきた。 それでも非日常を生きようとする人もいたが……それを止める権利は私にはない」 「その人たちの中に……あんたに行くなと言った人はいなかったのか?」 「……もちろんいたさ。 何をしても止めようとした人、ついて来ると言った人、泣いて縋る人もいた。 それでも私はその全てを手放し、この道を選んだ。 この信じた理想を、自分の在り方を貫く為に」 「それはあんたのエゴだ。 自分の理想に傷をつけたくないから、あんたは大切な人を置き去りにしたんだ」 「ふん。それは貴様の理想とて同じだろう。 姫君を守る為なら他の人間が何人死のうが興味がないのだろう? 一を守る為に十を蔑ろにする。これをエゴと言わず、なんと言う」 敵意と殺意が絡み合い、大気を、世界を震わせる。 「口で言ってもわからないようだな……」 言って黒の男は眼を覆う包帯を僅かにずらし、蒼い瞳を覗かせる。 「……どうやらそのようだ。 元より話し合いなど無意味であったのだろう。 オレの理想と貴様の理想は決して相容れることはないのだから」 言って赤の男は両の手に一対の双剣を具現化させる。 ────対峙する黒と赤。 二人の間を風が駆け抜け、いつでも踏み出せるように構えを取る。 「「────行くぞ!」」 /2 ────そこで目が覚めた。 これはアサシンの過去だ。アサシンとアーチャーの出会い。 この夢を見たのは何度目だろうか。 最初はぼんやりと輪郭だけが見える程度だったのに、今日ははっきりと見えた。 やっぱり俺と士郎は対立する関係にあるんだろうか。 できるのなら────戦いたくなんてないけど。 ……考えたってわかるわけがないか。 珍しく早く目が覚めたんだ、少し体を動かそう。 ◇ 庭へ下りて、軽く体を解す。 最近色々とあったから試す機会がなかったけど、アサシンに教わった思考の切り替えを思い出そう。 アサシンに出会って最初に教えられた事。 ──七夜の体術を引き出す為には使われていない部分を認識しろ、と。 人間は常に100%の力を出すことはできない。 自分の体を傷つけないように無意識に力をセーブする。 それと七夜の体術が同じものかどうかは俺にはわからない。 ただそういう火事場の馬鹿力を意図して引き出し、かつ制御できるとしたら。 それは人間の力を限界まで引き出せていると言えるだろう。 …………少し論点がずれてるな。 アサシンと直接打ち合い感じた事。 それは思考を切り替えるにはキッカケが必要だという事。 アサシンのそれは直死の魔眼の解放がキーとなっているらしい。 あくまでキーだから切り替えずにいる事も出来るみたいだけど。 一応同じ人物なんだから俺も眼鏡を外せばできそうだけど、ただ外すだけじゃ意味なんかない。 何か……何かが足りない。 ……アサシンの言葉を思い出せ。 今の思考は俺が俺として生きていく為の回路。 ならもう一つはただ目の前の敵を討ち滅ぼす為の回路だと、アサシンは言ったはずだ。 そして俺が七夜の体術を引き出すことが出来たのは、瀕死の時か なら──── 「あれ? 志貴、珍しく早起きだな」 縁側に現れたのは士郎だった。 士郎も今起きたところなのだろうか、まだ眠そうだ。 丁度良い、試させて貰おうかな。 どうせできないだろうし、大丈夫だろう。 「士郎」 名前を呼んで向き直り、眼鏡を外す。 「どうしたんだ? 眼鏡なんか外して。外すとマズいんじゃないのか?」 何か言っているような気がするが、とりあえず無視する。 眼に力を込め、士郎の死線を、死点を凝視する。 響く頭痛を隅に追いやり、最後の意志を士郎に向ける。 おまえを────殺す その時……何かがカチリと音を立て、嵌まったような気がした。 /3 「あれ? 志貴、珍しく早起きだな」 そう、庭に突っ立っている志貴に声をかける。 飯時になっても中々起きてこないやつが、今日は珍しく早起きをしているのだ。 視線は向けて来たが、返事をする様子は無い。 まさか寝ぼけてるんじゃないだろうな。 そこへ。 「士郎」 名前を呼ばれ、考え事をしていた頭を切り替えそちらを向く。 なんだ? 眼鏡を外したぞ。 「どうしたんだ? 眼鏡なんか外して。外すとマズいんじゃないのか?」 確か志貴は眼鏡を外すと死が視えるとかなんとか。 ついでに頭痛もあるらしいから、無闇に外したりしないと思うんだが……。 ────辺りを冷たい空気が覆う。 ピリピリした感じが、肌を刺すように這い回る。 これは……志貴の殺気か? 明らかに様子がおかしいぞ。 「おい、志貴? おまえ一体どうし──」 その時、志貴の眼が蒼く輝き、聴こえない筈の声が聴こえた。 おまえを────殺す 「──── 明確な敵意を向けられ、今自分が最も速く精確に投影できる双剣をその手に握る。 なんだ? 理解できないが、とりあえず殺意を向けられているのは間違いないようだ。 「おい、志貴。どうしたんだ、その短刀を仕舞え」 志貴は逆手に構えた短刀を僅かに動かし、口元に笑みを浮かべる。 ───やばい、やばい、やばい、やばい。 体の芯が警告する。アレと戦ってはいけないと。 アレは、モノを殺す為だけの存在だ。 志貴の身体が跳ねる。 音も無く地面を蹴り、一息で俺との間合いを零にする。 まともに打ち合ってはマズい! 「くっ────!」 縁側から、右へと飛ぶ。 ここでは足場が悪い。そのまま庭へと駆け下り、広い所に誘い出す。 縁側に立ち、くるくると短刀を弄ぶ蒼眼の男。 あれは……本当に志貴か? 「おい、志貴。目を覚ませ」 「──────」 答える声は無い。やっぱり、あれは志貴なんかじゃない。 とりあえず、なんとかして止めないと。 双剣を捨て、無手で対峙する。 普通に打ち合ってはどうせ剣を切られるだろう。 なんとも厄介な能力だ。 「──────」 それを見て口元を歪め、俺に向かって疾駆してくる。 あいつの能力は、死を視認してそれを絶つはずだ。 なら── 迫り来る刃に無手のまま振り上げる! 「──────!?」 ガキンという鉄と鉄のぶつかる音。 そう、切られる直前に剣を投影し盾を敷く。 さすがにそこにまだ無いモノを切ることは無理だろう。 それに完全に投影できなくても、攻撃を防げればそれで十分だ。 死を視られ、切られる前に弾き飛ばす! 「チッ────!」 これならなんとか戦える。 魔力の消費が大きくなるけど、剣を切られ、そのまま致命傷を受けるよりはマシだ。 でもこれじゃ防戦一方だ。なんとか止める手段を考えないと……。 ──それからどれくらい打ち合っただろうか。 襲い来る刃に零距離で投影し、それを防ぐ。 それは思っていたよりも神経を消耗し、心を削れられていく。 「う────くっ」 当たり前だ。 僅かにタイミングを外せばそれだけで俺は真っ二つなんだから。 距離を取り剣を投影、射出し志貴の動きを制限する。 それでも完全に捉えることができない。俺の剣が遅いのか、志貴の足が速いのか。 だがそれでも志貴は回避の為に左右に走ることを余儀なくされ、時間は稼げる。 でもこれじゃダメなんだ。 なんとか止める手段を──── 「────え?」 そして、何度目かの短刀を受けようとした瞬間。志貴の身体が崩れ落ちた。 「……アサシン?」 志貴の背後にいたのはアサシンだった。 当身でも食らわせたのだろうか、音も無く志貴は沈み、意識を失っていた。 気づかなかった……いつの間にそこにいたんだ? ……そういえばアサシンのスキルに気配遮断なんてのがあったな。 それのおかげか。 「大丈夫か? 士郎」 やれやれといった感で志貴を見ながら声を掛けられた。 「あ、ああ。助かったよ、アサシン」 「悪いな、これは俺のせいだ。 まさかこんな所で鍵に気づくなんて思わなかった。 相手が良かったせいもあるか……。 全く……制御できないなら気づくなっての」 怒っているようだが、それは自分に対してなのか、志貴に対してなのか。 俺にはよくわからなかった。 「とりあえず、この事は忘れてくれ。俺からちゃんと言っておくから」 「それは構わない……だけど一つだけ、教えてくれ。 あれは志貴の意思で俺を殺そうとしたのか?」 「いや、志貴の意思じゃない。 志貴の中にある殺人衝動みたいのが目を醒ましただけだよ」 志貴を抱え、アサシンは客間のほうへと足を向ける。 ふとその足を止め、こちらを向かず 「士郎────答えは得たか?」 昨日のことだろう。 アーチャーに託されたものを理解したかと、問いかけてくる。 「ああ────俺は戦いを止めない」 理想を貫く為に、大切な人を守る為に。 「良い返事だ」 それだけを残し、アサシンは消えていった。 /4 「…………あれ」 ふと目が覚めると、さっき見た光景と同じ、木目のある天井が視界に入った。 ────あれ? 俺さっき起きなかったか? 確か庭に下りて士郎に会って……まさか夢? 「このアホ」 突如横合いから何者かにグーで殴られた。 「いってー、何するんだ…………って」 胡坐をかいてムスっとした表情で俺を睨みつける男。 「……おはよう、アサシン」 「寝ぼけてんじゃないっ」 ただ朝の挨拶をしただけだというのに、また殴られた。 「なんだよ、アサシン。朝から機嫌悪いぞ?」 「おまえ、自分が何をしようとしたのか解ってるのか?」 「────え」 何をしようとしたか? やっぱり……さっきのは夢なんかじゃ……。 「俺──士郎を殺そうと……?」 「記憶はあるみたいだな。 意識はなさそうだったんだが。 そう、おまえは士郎に刃を向けた。思考を切り替えて、な」 やっぱり、そう、か。 士郎を睨みつけて、ただ殺すと意識しただけだってのに。 何かが嵌まったような音がして、それで……。 馬鹿な……人間相手に今までこんなことはなかった。 殺すと思うだけで切り替わるならこれまでも切り替わってた筈だろう。 ────、一体何故? 「──何故、か? 簡単だ、おまえは士郎を殺したいんだ」 「──────え?」 息が詰まる。理解できない。俺が、士郎を殺したい? それこそまさか。 たった数日だが別に俺は士郎を嫌っちゃいない。 好きか嫌いかと問われれば、間違いなく嫌いの部類には入らないだろう。 「おまえ、俺の過去を見ただろう」 サーヴァントは夢を見ない。 マスターとサーヴァントがレイラインで繋がっている為か、俺にはアサシンの過去が見えた。 それはアサシンには言ってないし、言うべき事でもないと思い教えていない。 「サーヴァントとマスターは繋がっている。 おまえが俺の過去を見るってことは、俺もおまえの過去を見れるってことだ。 まあ、俺の場合自分の体験も多いんで、分かり辛かったけどな」 それは当たり前の道理。何故それに気づかなかったのか。 だけど── 「それが……何の関係があるんだ?」 お互いの過去を見れる事が、俺が士郎に殺意を抱く事にどう関わるというのか。 「俺の過去を見て、士郎と出会い、アーチャーと出会った。 それでおまえの本能がアイツは必ず敵になると、認識したんだ。 危険の芽は事前に摘む、か。これは誰の言葉だったかな」 それは──夢の中のアーチャーの言葉。 「でも最後には仲間になったんだろう? それが解ってるなら、殺そうとする筈がない。 それに過去も未来も関係ない。今、俺たちは仲間としてここにいるんだ」 「それは俺にも分からないよ。さっきのはあくまで俺の推測だ。 それに俺は生前、未来の俺に出会わなかったからな。 既に俺とおまえは道を違えた、別の存在としてここにいる。 でなきゃ同じ時間に同じ人物が存在できっこないだろう」 ……言葉がでない。 俺は、心の奥底で士郎を殺したがっているというのか? 「まあ、今回は未遂だったし、良いんじゃないかな。 士郎も気にしないって言っていたし。とりあえず後で謝っとけよ」 「あ、ああ……」 気の無い返事をしてしまう。 殺そうとした相手に、ごめんなさいで許して貰えるはずがあるだろうか。 「まあ、原因は置いといてだ。 志貴。士郎に斬りかかった時のこと、覚えているか? というか、その時意識はあったか?」 「……いや。士郎に殺意を向けた後、気が付いたらここに寝てたよ。 でも何故か覚えてる。俺が士郎に向かって斬りかかった瞬間を」 斬りかかる瞬間──何故か、俺は笑っていたような気がする。 「こんなに早く気づくとは思わなかったんだけどなー。 打ち合ったのがマズかったか」 あちゃーなんて顔をして、額を押さえているアサシン。 確かに打ち合いの中で、アサシンからキッカケを掴んだんだけど。 あの時はアサシンもやる気満々だった気がするんだが……。 「アサシン。俺は思考が切り替わるのは認識できたんだ。 なぜ意識が残らなかったんだ?」 いや──多分意識はあったはずだ。だから、俺はその瞬間を記憶している。 だけどあれは本当に殺す為だけに身体が動いた感じだった。 そう────かつて これじゃダメなんだ。 意識はあっても無意識に殺す為だけに身体が動く。 これじゃ今までと何も変わらない。 自分の意思でスイッチのオン・オフを切り替え、制御できるようにならないと……。 制御できない力はこの身を蝕む──直死の魔眼のように。 そしてアサシンは俺の問いには答えず、結論だけを口にした。 「まあ、とりあえず今回おまえはキッカケを得た。 まず第一に使われていない部分があったと、認識したこと。 次に直死の解放が引き金になると知ったこと。 これは俺たちの戦いへの心構えに直結するからな。 そして最後───」 そこで一度言葉を区切った。 「それが俺とおまえの決定的な違いだよ。 おまえはまだ日常に生き、必要な時に非日常に踏み込んでいるんだ。 それじゃ俺には届かない。 ────矛盾。 日常にありながら、非日常にある存在。 境界線の上に立たないとダメなんだ。 今のおまえじゃ絶対に無理なんだ、これだけは」 「……意味がわからないんだけど」 「解らなくて良い。これこそ必要な時に必ず気づく。 それまで無闇やたらに殺意を突きつけるなよ。 特に士郎には。でないと────」 そこでアサシンは立ち上がり、背を向けその姿を消していく。 「────おまえは本当に士郎を殺すから」 冷たい声だけを室内に残し、残響を響かせた。 それは、俺の心の裡にも深く、深く、突き刺さった。 /5 その後は士郎にちゃんと謝った。 もちろん許して貰えるはずなんてないと思っていたが、 「いいよ。あれは志貴の意思じゃないんだろ? どうしてあんな事をしたのかわからないけど、志貴のせいじゃない。 俺も気にしてないし、志貴も気にするなよ」 そんなことを言ってきた。 なんて────お人好し。 自分を殺そうとした相手すら信じると、この男は言うのか。 俺は、こんな男を殺そうとしたというのか。 なんて迂闊。 ただ試すなんて軽い気持ちで人に殺意をぶつけるなんて、馬鹿か俺は。 先生の言葉を忘れたのか、俺は! 「士郎、一発殴ってくれ。じゃないと俺が俺を許せない」 決意を秘め、その目を見据える。 「……いいのか?」 こちらの心を酌んでくれたのか、真剣な面持ちで問いかけてくる。 「ああ、構わない。これは俺のけじめだから。 思いっきり頼む」 「じゃ……行くぞ」 「……ああ」 殴られた痛みを胸に、もうあんなことは絶対にしないと、固く心に誓った。 /6 志貴に謝られたが、俺はそんな事は気にしちゃいない。 だけど、あれほど真剣に見つめられちゃ殴らないわけには行かなかった。 それにこれで全てを水に流せるなら俺にとっても、志貴にとっても最良だろう。 今は同盟関係にあるんだ。 余計な蟠りは無い方がいいに決まってる。 ────その後はつつがなく朝食を終え、いつも通りの作戦会議と相成った。 いや、志貴の顔が腫れていることに皆驚いていたが、なんとか誤魔化した。 やりすぎたかな……なんだか自然に力が入った気がするんだけど。 その少し後に桜から電話があり、まだ調査は難航しているとのこと。 慎二も一緒に探してくれているようだが、蔵書の量が半端じゃないらしい。 全部終わったら、慎二にも一度会いに行かないとな。 ……昨夜の会議はシエルさんの話を聞いただけで一応の終わりを見た。 シエルさんは志貴たちと知り合いであるらしい。 それはあのアインツベルン城の様からなんとなく察しはついていたが。 シエルさんはバーサーカーを失い、すでに俺と同じく脱落者だ。 それでもタタリを見逃すつもりはなく、俺たちと手を組みたいとのこと。 一人遠坂が渋い顔をしていたが、俺と志貴たちの説得の甲斐もあり、なんとか了承を得た。 そして、シエルさんの知る事実。 その内容は、あのギルガメッシュがタタリであること。 ヤツが裏で糸を引いている可能性があること。 そして────ヤツの狙いが聖杯であり、おそらく器も所持しているということ。 また俺たちは後手に回らざるを得なくなってしまった。 それで、これからどうするべきかを今から話し合うのだが……。 「……とりあえず、あいつが生きているのかどうか。それが知りたいわね」 遠坂の言うあいつ、とはギルガメッシュのことだ。 アーチャーは俺の令呪を見る限りでは既にこの世にはいないだろう。 だが、あいつも英霊だ。 むざむざとやられたとは思えないんだが……。 「彼はサーヴァントを殺すことが目的だと言っていました。 あれから既に二日。 生きているのなら、私達の前に現れていてもおかしくはないんじゃないでしょうか」 シエルさんが口を開く。 「うーん。可能性としては相討ち。 既に他のマスターの所へちょっかい出しに行ってる。 他には深手を負って仕方なくどこかで身を潜めているとか……」 でもあいつはそんなタマじゃないわよねぇ、と言葉を続けた。 その時。 ────カランカラン 鳴子のような音が屋敷に響く。 後書きと解説 行間をちょっといじってみましたが、どうだろうか。 見やすくなったと思うのですが。 あまり目立ってなかった志貴にスポットを当てて士郎とバトってみた回でした。 いや、バトルは士郎視点なんですけども。 とりあえずキッカケだけを掴んだ感じ? 覚醒というより暴走。殺意を突きつけて切り替わるのでは、ネロやロアの時と変わりません。 まだ志貴は勘違いをしてるってことで。 そう簡単に強くなれるワケがありません故ー。 殴り愛は漢のロマン? なんとなく志貴なら自責の念に駆られそうで。 back next |